便秘の原因

便秘の原因は人それぞれですが、大きく分類すると以下の6つに分けられます。

  1. 水分不足
  2. 食生活
  3. 排便タイミングの喪失
  4. 運動不足
  5. ストレス
  6. 便秘薬

この他にも病気が原因となる便秘もありますが、それはこちら(器質性便秘)をご参照ください。

「水分不足」が便秘の原因

便秘の原因:水分不足

「トイレに行きたくないから」とか 「汗をかくのがイヤだからしという理由で、水ものをなるべく摂らないようにしている人がいますが、これは間違いなく便秘の原因となります。

食べ物は小腸から大腸に入ったばかりのときは、水分と混じってドロドロになっています。この水分が大腸で吸収されて、便としての形を整えていくわけですが、水分がもともと足りなかったりすると、直腸へ行き着く前にカラカラになり、硬い便になってしまいます。

この硬い便を無理やり押し出そうとして、肛門が切れたり裂けたりして痔になります。痛いから出さない。出さないからますます硬くなる。こうして本格的な便秘へと進んでいくわけです。

なお、便秘からは話題がそれますが、女性の場合、水分が不足すると尿の量が減り、膀胱炎になることがあります。お年寄りの場合には、血液が濃くなって、脳血栓や心筋梗塞の原因になるともいわれています。水分は、むしろ多めに摂っていた方がいいのです。

「食生活」が便秘の原因

便秘の原因:食生活

「便秘気味なので、消化によいものを心がけて食べています」よくこんな言葉を聞きます。

確かに、消化によいものを食べていれば、胃に負担をかけずにすむでしょう。しかし、それと便秘とはまったく無関係です。逆に消化のいいものばかりを食べていることこそ、便秘の原因となることがあります。

最近は、肉や加工食品など消化のいいもの、栄養価の高いものを食べることが多くなっています。たしかにこれらの食べ物は、消化という点から考えれば、非常に効率のよい食べ物ということができましょう。しかし、少ない量で栄養が満たされてしまいますので、なかなか便が作られません。

そのために便がたまらず、二、三日に一回しか排便がないということもあります。しかも、この便は硬い上に、直腸をなかなか刺激しないという難点もあります。そのため、便がたまっているのに気がつかず、ますます便を固めてしまい、完璧な便秘になるのです。

肉や加工食品以外にも、インスタント食品や、卵やバターをたっぷりとつかった高カロリー食品も、少なくて硬めの便を作ってしまう食べ物といえましょう。

ただし、勘違いしてもらうと困るのですが、「肉や高カロリー食品を食べるな」といっているのではありません。肉だけでなく、一緒に繊維のある食べものを必ず摂る必要を言いたいのです。

便秘になるような人に限って、なかなか繊維のある食べものを口にしません。食堂で豚カツ定食を注文したとしても、豚カツだけ食べ、ついている千切りキャベツを残す人に便秘が多くいると言えます。

食物繊維が大腸のなかでどのような役目を果たしているかをご説明しましょう。

食物繊維とは食品中に含まれる消化されない成分で、早い話が便の材料になるものです。胃や小腸の消化酵素では何の影響も受けませんが、大腸に入るとその実力を如何なく発揮します。

食物繊維を多く摂れば、それだけ便の材料が増えるわけですから、傍の容量も当然増えます。また、食物繊維は水分を吸収して膨潤するので、便は軟らかくなります。消化されないものですので、腸への刺激も強くなります。

この刺激は腸の蠕動運動を高めることにもなり、便が腸内を通過する速度が速くなります。速度が速まれば、大腸壁に吸収される水分が少なくなり、軟らかい便がスムーズに排出されることになります。

しかし、食事からとったすべての食物繊維がそのまま便として出てしまうかというと、そうではないようです。

食物繊維の種類によっては、腸内細菌の発酵作用を受けて、分解してしまうものがあることが最近になってわかっています。そういう食物繊維は便の中には残りませんが、便のカサを増やすような働きをします。

また、分解された食物繊維は、ビフィズス菌などの善玉腸内細菌を増やす働きもあります。これによって腸内環境が改善されます。それに加えて、分解されるときに、乳酸やプロピオン酸、酪酸などのいろいろな酸を作り出しますが、この酸に大腸の壁を刺激する下剤作用があり、便の通りをよくする働きがあるのです。

つまり食物繊維は、分解されるもの分解されないものを問わず、便通を良くする重要な役目を果たしているのです。したがって、食物繊維を食べなければ、便秘になるのは半ば当然のことと言っていいでしょう。

「排便タイミングの喪失」が便秘の原因

便秘の原因:排便タイミングの喪失

「トイレに行かない」ということ自体が便秘の原因になることがあります。

たとえば、こんな感じです。目覚まし時計が鳴ったらすぐにおき、サッと顔を洗い、パッと歯を磨き、朝シャンとヘアーの手入れだけは念入りにして、一杯のコーヒーを流し込み、トーストを一枚くわえて飛び出していく。

こんなのもあります。旦那さんと子どものお弁当を作り、朝食を食べさせる。この間、少しも気が休まる暇はなし。夫を会社に子どもを幼稚園に送りだして一段落。朝のドラマを見つつ、しばらくウトウト。目が覚めて、さて、掃除に洗濯、お昼の買い物。

こういうのはどうでしょう。とにかく出社時間ギリギリまで寝ていたい。時間がくるとおき、駅のスタンドでハンバーガーとコーヒーだけの朝食。始業時間間際に滑り込みセーフ。そのままお昼になだれ込む。昼食の後も、打ち合わせで昼休みの時間はほとんど取れず。

皆さんのうちで、もし「一度、経験のために便秘になりたい」と思っている人がいたら、こういう生活をしてみてください。ほぼ間違いなく便秘になります。

朝は、一日のうちで、もっとも便意を強く感じるときです。前日に食べたものはほとんど大腸へいっており、胃は空っぽの状態です。それまでからだのなかをま通ってきた

食べ物が、S状結腸で便の形を整えて出されるのを、今か今かと待っているときです。

このときに何らかの刺激が胃に加われば(コーヒー、タバコ、歯磨きなど、刺激は人によってさまざまです。なんでも構いません)、たちまち胃結腸反射(便意を促す反射作用)がおこって、強い便意を感じます。

ところが、時間がないために便意を感じているにもかかわらず満員電車に乗ってしまい、排便のチャンスを失ってしまう。お昼になり、昼食をとる。このときも便意はありますが、何らかの用事があってそれも見送る。

夜は夜で、同僚たちと一杯呑み、排便をしない。次の朝、もう直腸にも結腸にも便が詰まっていますが、水分が吸収されて固まっていますから、なかなか出てこない。時間もないから「しょうがないや」ということで、再び、昨日と同じ行動パターンを繰り返す。こんなことをしているうちに、本格的な便秘へとなっていくのです。

排便タイミングの喪失は便秘を作る大きな原因の一つとなります。

「運動不足」が便秘の原因

便秘の原因:運動不足

便を押し出すために必要な腹圧。この腹圧が足りないことは便を押し出すことができず、便秘の原因となってしまいます。

腹圧の基本は腹筋です。この腹筋が弱いと、一生懸命力んだとしても、便を押し出すための十分な腹圧とはなりません。

そのため、便が出きらず直腸に残ってしまいます。残った便は水分が吸収されて硬くなり、ますます出なくなります。そうして、本格的な便秘となってしまうのです。

また、力む力が弱っているということは、腹筋だけでなく、全身の筋肉が退化しつつある証拠と考えてよいでしょう。運動が不足していると、全身の筋肉が萎縮して力が出なくなるほか、骨がもろくなって折れやすくなります。同時に心臓も弱くなり、動博や息切れがしやすくなり、活力もわいてきません。こうしたことが便秘をさらに進めてしまうのだとも考えられます。

「ストレス」が便秘の原因

便秘の原因:ストレス

ストレスもまた便秘の原因となります。けいれん性便秘(過敏性大腸症候群)は、その典型といっていいでしょう。

ストレスを感じることによって、腸の動きを支えている自律神経のバランスが崩れ、あるときになって、腸の動きが異常になり、けいれんすることで腸がウィンナーソーセージのようにくびれてしまい、便の通りが悪くなり便秘になるものです。

便意を感じてトイレに立っても便は少ししか出ず、しかも、コロコロとしたウサギのウンコ(兎糞状)のような便が出るだけです。便には粘液がついていることもあります。

また、腹部に強烈な差し込みを感じ、場合によっては、便秘と下痢を交互に繰り返すのも、この過敏性大腸症候群の一つの特徴です。

人間のからだのなかで、胃腸は最もデリケートな部分ですから、ストレスを感じると、真っ先に胃腸にあらわれます。ストレスが胃に出ると胃潰瘍、十二指腸に出ると十二指腸潰瘍、そして、大腸に出ると過敏性大腸症候群となるのです。

たとえば、通勤途中に何度も便意を感じで、トイレに駆け込む。会議が始まると途端にトイレに行きたくなる。これはもう間違いのない過敏性大腸症候群です。

過敏性大腸症候群の場合は、心因性でもあるので、精神安定剤なども併用して、じっくりと治療に努める必要があります。

現代社会で生きていく以上は、必然的に多くのストレスに囲まれざるを得ません。それがイヤだといってすぐに逃れられるならば誰も苦労はしません。そうちょいちょい仕事を変えるわけにもいきませんし、ましてや、家庭の中に原因があるからといって、家庭を捨てるなんていうこともできません。

たえず、そうしたストレスにさらされているうちに、その人の弱い部分が異常をおこす、その結果が引きおこす便秘といえましょう。

「便秘薬」が便秘の原因

便秘の原因:便秘薬

意外なことに便秘薬の使用が便秘の原因となることが多くあります。

大衆薬のなかでも、便秘薬は比較的よく売れているほうだといいます。なぜ、下剤は売れるか。それは、便秘は人知れず治したい病気だからでしょう。その思いが便秘薬を買わせるのだと思います。

また、最近では少なくなってきたものの「便秘なんかになったって、下剤があるじゃない」という考え方がまだまだ多いことも否定はできません。

しかし、人間はもともと、薬にもなにも頼らずに、自力で排便ができるように作られているのです。なぜ、便秘になったのか、なぜ自分で出せなくなってしまったのかという原因を考えずに、薬ばかりに頼っていては、〝自力で排便する力″も次第に衰えていってしまいます。安易に薬に頼ることは慢性的な便秘を引き起こしかねません。

下剤を使えば、一時的にせよ便秘の苦しみを取り除くことはできます。しかし、使い方を誤ればからだにいい結果をもたらさないことをしっかりと知って欲しいです。
とくに注意したいのは、下剤の長期連用です。

たとえば、アントラキノン系の薬を長年服用し続けていると、腸の壁が次第に黒みを帯びてきます。使うのを短期間で止めれば、マクロファージという細胞が異物として処理しますので、黒くなっていたとしても消えてしまいますが、長期にわたって使っているとそうはいきません。黒ずんで、まるで末期ガンに冒された大腸のようになってしまいます。

こうした状態が決して腸にいい影響を与えるはずがありません。たとえば、下剤の連用をしている人に腸の消耗性疾患が多いことは、薬のせいで腸の消耗が早くなっているとも考えられます。

そういう人の腸を見てみると、本来厚みのあるはずの腸が紙のようにベラベラになっています。腸の組織全体の構造が薬品の作用によって破壊され、腸壁が弱くなったとも考えられます。

また、アウエルバッハなどの神経叢が変性を起こしたことにより、腸の蠣動運動を支えるはずの波状のくびれがなくなり、ズンドゥになってしまっているものもあります。この結果、腸の動きはますます悪くなっていきます。

更に恐ろしいものとしては、腸の癒着があります。これは、腸の曲がり角に多く、横行結腸と下行結腸、S状結腸と下行結腸が癒着している例があります。この癒着の怖いところは、自覚症状がないことです。「ただの、便秘」と思っている間に癒着が進み、便秘もひどくなり、手術をしなければ回復不能ということになってしまうのです。

この癒着の原因はやはり下剤の長期連用にあると考えられます。下剤というのは、腸に一種の炎症を起こさせるものです。炎症が起これば食い止めようとして近くの組織が寄ってきます。その結果、腸と腸、腸と他の組織がくっついてしまいます。たとえ、炎症が治ったとしでも、その癒着はそのまま残ってしまうのです。

こうしたことは特殊な例としても、下剤を使うことに慣れてしまった人は、お通じも水のようにビヤーツと出なければ満足しないようです。そうして一錠が二錠になり、二錠が五錠になりと、次第に数を増やしていき、腸を鈍感にし、自力で排便する力を徐々に失っていってしまうのです。

つまり、下剤が便秘を作るのではなく、下剤に頼ればいいという安易な心が便秘な心が便秘を作ると言えます。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク