排便の大切さ

まず、「食べる」ということを考えてみましょう。

私たち人間の生命は、常に他の生命体から栄養素を取り込むことによって維持されています。つまり、人間にとっては異種のものを口から取り入れているのです。

食べ物は口に入ると、咀嚼という動きによって唾液と混ぜあわされ、食道を通って胃に入ります。この後、胃から十二指腸、小腸、大腸、肛門という道順を通って体外に排泄されていきます。こうして見ると、消化管が一つの管であることがよくお分かりになるものと思います。

食べ物をよく考えてみると、これは明らかに外界のものです。食べるということは、その外界のものを体内に取り込むことです。換言するならば、消化管は体内にありながら、体外と接する部分なのです。その点、消化管は皮膚と同じ感覚であるといえましょう。

しかし、実際は皮膚よりもはるかに過酷な条件を消化管は強いられています。というのは、先程もいったように、食べるということは人間にとって異種のものを体内に取り込むことです。しかも、最近の食べ物を見てみると、合成着色料や保存料、その他わけのわからない化学薬品も多数含まれています。食べるということは、これらのものを取り込むことでもあるわけです。

私たちは日常生活においては、危険なもの、あるいは自分にとって好ましくないものに対しては、なるべく触れないように心掛けています。何でもかんでも、そこにあれば触ってみたいという人は極めて稀でしょう。

ですが、食べる場合にはお構いなしです。また、気をつけて食べていたとしても、体にとって有害なものを知らず知らずの内に取り込んでいることは十分に考えられます。

いわば、消化管というのは天国と地獄の通り道であるともいえましょう。この天国の部分、人間が五体を維持するのに足りるだけの栄養素を取り込み、他の有害な部分を捨てるのが消化管の働きなのです。そして、そのカスだけを固めたのが便なのです。

便を体外に排出することがどれだけ大切か、おおよその察しはつくでしょう。現在では、食べること、体内に取り込むことだけに関心が払われています。食べたら出すという考えがおろそかになっているように思います。グルメブームなどはそのいい例でしょう。しかも、後にも記しますが、グルメといわれる食べ物ほど、便秘になりやすいのです。その意味において考えれば、一億総グルメ時代は、一億総便秘時代であるともいえましょう。

すっきりと出せるからこそ、食欲もわいてくるのです。食べる快楽だけでなく、出す快楽も、じっくりと考えてみる必要がありそうです。

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